主演の中村敦夫の足の怪我で休止していたヒットドラマの再スタート版。阿藤海(阿藤快)のテレビデビュー作。各回のサブタイトルは以下のとおり。第1回「馬子唄に命を託した」、第2回「暁の追分に立つ」、第3回「水車は夕映えに軋んだ」、第4回「地獄を嗤う日光路」、第5回「夜泣石は霧に濡れた(誤り…夜泣き石は霧に濡れた)」、第6回「女郎蜘蛛が泥に這う」、第7回「海鳴りに運命を聞いた」、第8回「獣道に涙を棄てた」、第9回「錦絵は十五夜に泣いた」、第10回「飛んで火に入る相州路」、第11回「駈入寺に道は果てた」、第12回「九頭竜に折鶴は散った(「九頭竜」にルビ「くずりゆう」が付く)」、第13回「怨念坂を螢が越えた」、第14回「明鴉に死地を射た」、第15回「木っ端が燃えた上州路」、第16回「和田峠に地獄火を見た」、第17回「雪に花散る奥州路」、第19回「冥土の花嫁を討て...
It is hard to think of another ninky yakuza film that leaves the main protagonist - a chivalrous female at that - in so much pain and sorrow, such an emotional abyss of desolation at the climax. Yamashita and writer have fashioned a bleak, haunting, exciting and beautiful film.
戦時中総理大臣を勤めた木島公爵の息、木島文彦は、密航によって帰還したが、日本を敗戦に追い込んだのは木島公爵の責任のように思い込んでいる世間の人々の眼をさけて、腹心の相棒徹男と一緒に宮城広場の一隅で自動車一台を家として起居していた。そして妹絢子を捨て去った許婚の田代を追求していた。木島の親友島津直太郎は、大学教授であったが、木島家所蔵の古代土器類を宮本骨董品店に勤める恋人水上史江に依頼して、自分の家で売り立てを行い、文彦のために五十万円の金を作ってやった。史江は烏森に天ぷら屋をやっているお民の娘であったが、キャバレーでピアノを弾いている妹の公江と一緒に築地のアパートに別居をしていた。お民の息子英次は、やはり悪友にさそわれて家出していたが、絢子の相手田代の居所をいえと文彦にピストルで脅迫されているところへ公江が通りかかり、文彦のピストルをあずかってしまう...
十数年前、浅草六区で鳴らした松旭齋天花という女奇術師があった。本名を辻信子といい、大学の建築家の学生笠原史郎と恋仲になり、映子とマリ子の二人の子供までできたが、信子の母お直は笠原との結婚をどうしても許さないのであった。信子は相変わらず二人の娘を曲芸の種っ子に使って舞台に立っていたが、笠原が大学を出て建築会社へ就職した年、けがをして入院した映子を笠原の手に残して信子が北海道の巡業に出たのが最後となり、笠原の急な出征などがあって、この親子は二人ずつ別れ別れになって消息を絶ってしまった。終戦後、いち早く復興した熱海の町を流して歩く、三人組の芸人があった。信子とマリ子と、二人に同情するアコーディオン弾きの立川だった。ある日一軒の別荘へ呼ばれていった三人は、その家の立派さに驚いたが、信子はその家の美しい令嬢を見てさらに驚いた。映子だったのである。この家の主人は...
大阪市に貧しい人たちが集まる釜ケ崎地区があった。
そこの豆腐屋に、一人のちょっと知的ハンデがある少女テコ(中山千夏)が1円分オカラを買いに来る。
迷惑がる豆腐屋に対し、ポリエチレン袋に包んでくれという。
その少女が、帰る途中、トラックと乗用車の衝突事故を目撃したと簡易宿泊所「釜ケ崎荘」の住民たちに報告する。
一斉にその事故現場に走る住人たち。
彼らは、大して怪我をしていない運転手を無理矢理病院へ行かせると、たちまち、乗用車を解体してホテルに持って帰る。
それを、たちまちの内に馴染みの業者に叩き売って、警官が調査に来た時には、全員知らん顔。
その釜ケ崎荘は、がめつい事で評判のお鹿(三益愛子)婆さんと、その息子の健太(高島忠夫)がどん底生活をしている常連たち相手に、1日30円の宿賃を取って経営していた。
孤児だったテコは、そんなお鹿婆さんに拾われて育てら...
源氏物語「宇治十帖」に登場する浮舟をヒロインにした北条秀司の同名戯曲の映画化。「朱雀門」の八尋不二が脚色、「月形半平太(1956)」の衣笠貞之助が監督した。撮影は「母白雪」の竹村康和。主演は「鼠小僧忍び込み控 子の刻参上」の長谷川一夫、「朱雀門」の山本富士子、市川雷蔵、「女優(1956)」の乙羽信子、「大阪物語」の中村鴈治郎、中村玉緒、三益愛子。ほかに夏目俊二、柳永二郎、浪花千栄子、浜世津子、橘公子など。色彩は大映カラー。
きらびやかな平安の都に東国から二人の母娘、常陸の介の妻中将と、中将がいまは亡き都の貴族八の宮との間に生んだ少女浮舟がやって来た。--浮舟にとっては異母姉にあたる八の宮の姫大君の葬いにきたのだ。丘の上の墓所で、母娘は大君を愛していた薫の君に出遭った。薫の君は浮舟の野性美もさることながら、その顔立ちがあまりにも生前の大君と瓜二つなので...