「秋の蛍」は、平岩弓枝が「小説サンデー毎日」に連載中の「御宿かわせみ」シリーズを平岩自身が脚色したもの。NHKのシリーズがよく知られているが、幻の1作目はこちらの作品である。江戸柳橋の宿の女主人と、その恋人の与力の前に起こる意外な事件をサスペンスタッチで描く。若尾文子が捕物作品に出演するのも初めて。
【ストーリー】
るいが営む小さな宿“かわせみ”に、その夜二つの客があった。一組は怪我を負った母を連れた娘。もう1組は、恋人である与力の東吾だった。折から、江戸には宿屋ばかりを襲う盗賊が横行していて、東吾もるいの宿をそれとなく警護することになった。一方、母娘の様子には何かに追われているような雰囲気が漂っていた。だがるいは母親の看病をし、娘のために仕事の世話までしてやった。そんなある日、るいは娘が縫い針を口で吹いて蝶を落としているのを見てハッとした。その...
藤沢周平の短編集『驟り雨』から「ちきしょう」「遅い幸せ」「女下駄」の3本を選び、1本の作品にまとめてドラマ化。出演は大原麗子、三浦友和ほか。
番組詳細
大原麗子、三浦友和、乙羽信子、ハナ肇、小鹿みき、大鹿次代、近松敏夫、戸恒恵理子、菅野菜保之、松沢一之、玉井碧、渡辺陽子、井原千寿子、赤松秀樹 ほか
貧しいために病気の子供を死なせてしまったおしゅん(大原麗子)は夜鷹となって男に身体を売っていた。そして、金を払わず逃げた男万次郎(松沢一之)を恨み、かんざして刺してしまう。それをかばった下駄職人重吉(三浦友和)は、おしゅんの悲しい過去を聞き、これからは自分が幸せにしてやりたいと思った。しかしその後、事件は起きる…。