結婚して20数年が経てば、仲がよかった夫婦の間にもいろいろと不協和音が生まれるもの。そういう夫婦の抱える実情をコミカルに描くシリーズ第2弾。パート1と同様、小泉家(田村正和、篠ひろ子)を中心に、会社で同期の夫婦など熟年夫婦の生態をコミカルに描いていく。夫からの言い分、妻からの言い分をまんべんなく取り上げて不公平感がない。また角を突き合わせるような激しい夫婦バトルが展開するにも関わらず、カラッとしていて陰湿にならない展開が好ましい。【以上、文古崎康成】「熟年カップルの夫婦げんかを小気味よく描く第二弾。肇(田村正和)と由起子(篠ひろ子)は結婚して18年。子どもはいない。夫婦げんかがストレス解消法だ。そんな二人が仲人をすることになった。花嫁は肇の部下の真琴(渡辺満里奈)で、花婿は取引先の社員。こんな大変な役目を安易に引き受けてと由起子は不満顔だが、ちゃっ...
保護司とともに老人ホームにボランティア活動に行った保護観察中の不良少年山室裕司は、一人の老人とトラブルを起こしてしまう。後日、保護司に説得されて、謝りに行った裕司は、その老人と一緒に旅をするはめになる。10年以上会っていない老人の孫娘を訪ねる旅だった。反目しあいながら旅を続ける2人。そして、孫娘と会えた老人は…。老人と少年の交流を軸に、反発し合った出逢いから、友情が芽生えるまでを爽やかに描いた感動作!
原作は当時現役の高校教師だった多賀たかこ著の同名エッセイ(よみは「はいすくーるらくしょ」)。朝日ジャーナルノンフィクション大賞受賞作。原作では群馬県立赤城農林高校(仮名、モデルは群馬県立勢多農林高等学校)という農業高校が舞台だったが、ドラマでは工業高校に変えられた。原作は女子進学校から転任してきた女性教師が、のどかな中で問題行動に走る高校生気質と、普通科よりもランクが低い、学力困難と見なされる農業高校での日々を綴ったもの。ドラマは一躍ブレイクしたが、ドラマのプロデューサーが知人が在籍していた羽田工業高校の1970年代後半から1980年代前半のOBに取材し、青山学院大学卒の新卒の女性教諭が生徒と起こしたトラブルがドラマのパートIの主なエピソードとなっており、原作タイトルだけを引用しただけで全く違う内容と言ってもよい。
斉藤由貴演じる新米教師諏訪いづみ...
昭和20年1月。東京目黒に住む朝比奈家は、空襲のなかで不安な日々を送っていた。朝比奈家は、母親の絹江(岸惠子)と娘3人の4人暮らし。軍医だった父親は前年、ビルマで戦死。母親の心中を察する長女真琴(清水美砂)は、軍人小田切(椎名桔平)との恋を打ち明けられずにいた。
そんなある夜、一家の元に浦島壇吉と名乗る男(小林薫)が現れた。絹江の亡夫と同じ部隊で世話になっていたという。絹江は夫の知人として歓待するが、真琴たちは戦地の話題になるとごまかす壇吉を信用できずにいた。それ以来、壇吉は一家を守るのが自分の使命だと話す。ところが、真琴は壇吉が室内を漁る空き巣まがいの行為を目撃。真琴は出ていけと怒鳴るが、絹江は壇吉をかばい続ける。
昭和20年、目黒にある雨宮家では母佳代(岸惠子)と、3人の娘が暮らしている。すでに父は亡く、長男浩一(筒井道隆)は2年前に出征したまま音信不通だ。近所に叔父辰夫(藤田敏八)がいるものの、女所帯では何かと心細い。時折、家には娘たちの知らない女性お春(江波杏子)が訪ねてきた。お春は佳代の弱みにでもつけ込むように、金目のものを要求。お春の言いなりになる佳代の気持ちを、娘たちは理解できずにいた。
長女の文子(清水美砂)は佳代が見知らぬ男性と写っている写真を見つける。文子は写真の男性が浩一と関わりのある人だと直観した。一方、浩一の親友須藤(椎名桔平)は、入手が困難な食料を渡しながら、女所帯の力になっていた。須藤は文子を愛しているのだ。文子はその須藤から「浩一は内地に戻っているかもしれない」と聞く。
郵便局に勤める三枝冬子(清水美砂)の母親すず子(岸惠子)が、冬子と妹かおる(田畑智子)の前に2か月ぶりに姿を見せた。すず子は女だてらに航空隊の町風の浦で遊廓を営んでおり、客と駆け落ち同然で家を出ていたのだ。すず子は店で働きたいというシズ(戸田菜穂)を連れてくる。遊廓の経営に反対する冬子は、すず子の不在中に店の女の子を故郷に帰してしまっていた。
そんなある日、店に稲垣(椎名桔平)ら航空隊の士官たちが現れ、その中には冬子の恋人南(山本太郎)もいた。南の求婚を受け入れられない理由は、過去に最愛の人とのつらい別れを経験していたからだった。本土決戦も叫ばれ始めた昭和20年3月、政次(小林薫)という男が店にやってきた。政次は冬子の実父で、朝鮮に渡る前に冬子を一目見たかったいう。やがて政次は、親子の名乗りを上げることもなく形見分けをして三枝家を出ていった。...