東日本大震災から10年。夢で、亡きあなたと再会することで、生きる力を得ている人たちがいる。夢日記をつけ、天国での再会を指切りした妻との約束が生きる原動力となる夫、娘を救えずにさいなまれていたが、「自分を責めないで」と夢に現れた娘に支えられる母、肌のぬくもりを感じながら、逝った妹と夢で遊ぶ姉。そして、小学6年生で天国へ旅立った息子が、夢で中学校制服姿を見せにきた。「あなたの子でよかった」と言われるように今を生きる母。
番組では、3月11日の星空に影絵を投映させた空間の中で、リリーフランキーと満島が、DJスタイルで夢を朗読。幻想的な夢の世界に耳を澄ませる。
画家丸木位里丸木俊の大作「沖縄戦の図」は戦争悪とその愚かさを未来へ伝える世界レベルの作品である。
位里は「沖縄を描くことが一番戦争を描いたことになる」「このことは絵に残しておかにゃあいけん」と語り、俊は「この絵は私たちと沖縄の人たちみんなで描いた絵です」と話す。
最晩年の二人が激戦地を歩き、沖縄の人々に会い、琉球文化と芸能を創作のエネルギーに渾身の14作が生まれた。
このアートドキュメンタリーは全14部をのこらず紹介する初めての試みであり、画家の思考の軌跡をたどる謎解きの物語である。
ウクライナでの戦争が続く今こそ、アートは平和の祈りを運ぶ箱舟である。