Yutaro Kida, a worker at the Sasebo Naval Arsenal, volunteers for the navy but finds himself a cook's mate in the galley of a gunboat. But his dream is eventually realized when he is transferred to the new and powerful destroyer Yukikaze which he helped to build. When the Pacific War breaks out Yukikaze performs valiantly in the South Pacific, and while on shore leave, Kida mee...
学窓を離れ、房総の海岸町にある郵便局に就職した純情青年伊野君は、昼間逢った三人の女性-お色気濃厚の芸者玉奴、清純で美しい局長の娘麗子、先輩久礼のガールフレンドである看護婦のよしの面影が目先にちらつき、故郷を離れた第一夜なかなか寝つかれなかった。女と名のつくものは、お袋しか知らない伊野君にとって強烈過ぎる刺激剤だったのだ。翌日、初めての仕事に張り切る伊野君の顔は明るく、楽しい平和な日が続いた。ところがある日、この町で唯一の新聞社の記者早船が、局長に町民野球大会の寄附を強制しに来た。早船は、町のボス花山の手下となって弱い者いじめをしている狡猾な男だった。野球大会の日が訪れた。だが不思議なことに、ボス花山の投球を誰も打てない。業を煮やした応援中のよしは、久礼に「伊野君を出しなさい」と命令した。愛するよしの言う事ゆえ、久礼は「三振するんだぞ」と言い聞...
有本靖彦の原案を「エノケンの天国と地獄」の山下与志一が「春の夜の出来事」を監督した西河克己と共同脚色し、同じく西河克己が監督した。撮影は「乳房よ永遠なれ」の藤岡粂信。主なる出演者は「朝やけ血戦場」の大坂志郎、「顔役 (ボス)」の柳谷寛、「力道山物語 怒涛の男」の南寿美子、「母なき子」の高友子、「裏町のお転婆娘」の浅丘ルリ子など。
1956年製作/66分/日本
原題:The Baby and Express
配給:日活
一ノ瀬幸子悠子の姉妹は宮崎交通のバスガイドだ。今日の幸子のガイドは、はずんでいた。姉の幸子が全国バスガイドコンクールに優勝して帰って来るからだ。飛行場の歓迎の人混みの中には、バスガイド嘱託教師の小宮信吉をはじめ、同僚の嬉れしそうな顔があった。しかし、コンクール代表に決りながら、ノドを痛めて出場出来なかった有村日奈子の顔は暗かった。職業的ライバル意識と小宮信吉への同じ思いが重なっているのだ。幸子の内気な性格にかせいした嫁悠子の作戦が実り信吉と幸子は結婚した。姉の新家庭を訪れる悠子の目に、幸福そうな二人の様子は、何かさびしくうつった。やがて、ダンスホールに同僚と姿を見せる悠子が、人目をひくようになった。信吉の部下の柏木との仲を心配する信吉も、悠子が自分を愛している事を知って苦悩した。そんな折、姉の幸子が乳癌で入院した、看病に通う悠子と信吉、愛しては...
毎朝新聞の事件記者石川汎はある日一人の婦人を見て首をかしげた。その婦人は三年前、社の交換手をしていた高橋朝子だった。彼女は小谷茂雄と結婚しているが、交換手時代ふとした事から殺人犯人の声を聞いてしまった。いまだにその不気味な声が耳について離れず、悩まされていた。彼女の夫茂夫は小心者で、大東京広告社で浜崎社長の部下として働いていた。ある日得意先を招待し、茂雄の家で麻雀をすることになった。薬局の川井、ビリヤード屋の村岡が客である。浜崎の来るのが遅いので、朝子は電話をかけた。電話口からもれて来た声--彼女は例の不気味な声に余りにも酷似した彼の声に慄然とした。三年前の事件を報ずる新聞の、「質屋殺人事件、殺人現場から犯人の声、深夜、偶然に聞いた電話交換手」……などの見出しが甦って来た。数日後、茂雄が浜崎と喧嘩をして血だらけで帰って来た。しかも浜崎は郊外で死体...
瀬戸内海の美しい入江の町に寿屋という料理屋兼旅館がある。清作とお浜の主人夫婦は、かつてハワイに出稼したお人好しで一人息子の清一は東京の大学に行っている。年嵩の女中おけいは貧乏な漁師の娘で、小間物屋開業の金をためようと欲気で働き、お美代は二十七、八の女盛り、男好きで現在はセールスマンの小泉に現つを抜かしているが、若旦那の清一にも気がある様子。若いお春は下働きから最近お座敷に出たが、純情可憐のおぼこで、これも清一が好きらしい。そこへ尾道の料亭から流れて来た三十二、三のおしまが加った。男を信じないあばずれ女である。寿屋は山長、丸八、海野、池津など町のボス共が常連である。皆ひそかにお春を狙っているが彼女の身持は堅い。小泉と駆落したお美代は、男が妻子のある安月給取りと分って又舞戻って来た。学校の休暇で清一が帰って来たので、お春とお美代は心をこがしている。おけい...