結婚した男を不幸にするという伝説をもつ大女優。彼女にまつわる殺人事件に、おなじみの名探偵が挑戦。1964年の初夏。金田一耕助(小野寺昭)は、山中湖へやってきた。旧知の実業家飛鳥(鈴木瑞穂)が湖畔にある別荘で開く婚約披露パーティーに招かれたのだ。飛鳥の相手で、大物女優の鳳千代子(松尾嘉代)は、結婚する男を恐ろしい目にあわせると言われている女だった。千代子は4回の離婚歴をもっており、パーティーのメンバーも奇妙だった。まず、最初の夫で、往年の二枚目スター泰久(佐原健二)との間にできた娘の美沙(松原千明)。その祖母篤子(荒木道子)。さらに2番目の夫で、画家の恭吾(上田耕一)、そして、3番目の夫で音楽家の津村(清川新吾)などだ。そこへ、なぜかひとり招待されなかった泰久が、酒気をおびて乱入してきた。翌朝、その泰久の死体が、ホテルのプールに浮かぶ。さらに次の...
--明治の中期。九州筑豊炭田で掘った石炭はすべて遠賀川の川舟で運ばれていた。岡蒸気が出現し、これに取って代わろうとしたが、川舟船頭たちは鉄道敷設に命がけで抵抗した。唐戸橋の架設が争いの焦点である。名のある親分たちの失敗ののち、小組ながら男勝りの女傑島村ギンの皆木組に仕事が廻ってきた。ギンは妻子ある地主皆木与一郎と家出し、若松で皆木組を創設した、度胸と気っぷで知られた女である。汽車課長の川上は根本的に川船頭との間を解決するため船頭の元締鐘馗の寅松との掛け合いを頼み、成功すれば永久に鉄道院出入を許すと約した。ギンはダイナマイトを抱えて決死の覚悟で乗りこみ、ついに説得に成功する。帰途、川船頭市造に命を狙われたが、若い船頭吉田に救われた。交渉はなったが、工事場にコレラが発生し、工事は堂島組に譲った。市造らは鉄道線爆破を企てたが、ギンはまたも吉田に助けられて鉄...
桃山学は自動車修理工で、夜間大学の受験勉強に励んでいる。というのも、父泰三は怠け者だし、母ツネは働く以外は生きる術を知らないし、ダンプカーの運転手をやっている兄勉吉は衝動的な若さを爆発させる動物のように思えたからだった。学はこんな人間の集った桃山家を「家庭」だとは思わなかった。彼は白い柵に囲まれた小さな芝生の庭のある「家庭」を夢みている。そんな学が恋をした。彼女の名前は白川愛子、学は愛子にゲーテの詩集を贈り、二人で別の世界を築いてゆこうと心に決めた。そんなある日、勉吉が見覚えのある詩集を持って帰って来た。勉吉は酒くさい息で「あんないい子がコールガールやってんのかな……」と囁いた。学の疑惑に苦しめられる毎日が始まった。学は連れ込み旅館で問題の女に逢った。その子は愛子ではなかったが、友達からあの本を借りたという。学はホッとしたものの、恋人の仲間にこんな女...
前科九犯、島村組々長の島村清吉は、獄中にて組の解散を宣言、五年の刑期を終えて出所した。清吉は電車の中でスリにあった美貌の女性、西宮恭子に一目惚れ。スリ団の一人を捕えた清吉は、その男がかつての自分の子分カメこと林亀五郎と知って呆然とする。女房のみね子が経営するホルモン焼屋に居侯を決めこんだ清吉は、四散した子分たちの消息が気になり、神戸栄町で運送会社を営む元幹部の高村角三を訪ねるが、角三は急死していた。角三の死に不審を抱いた清吉は、角三が出入りしていた北斗海運が組織暴力団、北斗会の系列に属する事から北斗海運に出向くが、会長の重光、顔見知りの坂垣組長らに堅気呼ばわりされ追い返されてしまう。神戸に腰を据えた清吉は、愚連隊の才八、サブらを使って北斗会の縄張り荒らしを始め、角三の家を改造して“大日本ホルモン焼KK神戸支店”の看板をかかげた。一方、四十一回目の...
A humorous yakuza action melodrama with gangsters, drugs and that old comedy-standby, white slavery.
津軽平野に秋がくると、この地方では草刈り隊ができて二週間ほど馬草を刈る。近くには温泉もあり、若者たちには楽しい年中行事だ。十八才のモヨ子は草刈り隊のリーダーそで子婆さんに連れられて、初めてこの草原に来た。同じころ、近くの草原に富田集落の草刈り隊が来た。そのリーダーため子婆さんとそで子婆さんは大の仲よしで、毎年この草刈りで結婚話をまとめるのが楽しみ。こんどもそで子婆さんが連れて来た真面目な若者時蔵が、モヨ子に似合いのお婿さんだと結論が一致した。翌日、モヨ子は一人で山奥の草刈り場にやられ、そこで一生懸命刈っている時蔵に会った。二人きりで草を刈ったというので、両方の草刈り部隊は話の種ができて大喜び、当の二人の心も知らず知らず結ばれていったが、ある日時蔵がモヨ子を抱きしめようとしたので、モヨ子は時蔵の腕に噛みついて逃げた。この事件で草刈り場は大騒ぎ、しかも東...
留置場に入れられていた京子アキ子、ミツ子以下のずべ公「紫団」の連中の、身許引受人として受出してくれたのは早川綜合娯楽センターの社長早川重五郎であった。早川は自分の経営する仕事に彼女達を働かせた。彼女達のよい相談相手である刑事三田と、今は更生して運送店に働いている健二は彼女達のために喜んだ。処が或る日、ゆかりをリーダーとする一連のズべ公グループ「ファンキー」に喧嘩を売られた京子達は、又々大喧嘩をはじめるが健二の仲裁で仲直り、ゆかりたちも京子たちといっしょになって働くことになった。これを知ったお好み焼を営むお艶までが仲間に入ってきた。彼女等は心身をきたえようと夜は柔道に精進した。ある日健二は、身投げ女君子を救った。君子は早川の息子八郎の子を宿していた。これを聞いた京子たちは、早川のところにのりこんだ。その時、社長室から聞こえてくる話声を聞いて京子は愕然と...