佐渡ヶ島に目をつけた東洋開発KKが社長の甥秋山を島へ派遣したことから、一獲千金の野望を企てる土地のボス、小野は美人ガイドの君江を差し向け、箸にも棒にもかからぬ土地を観光候補地として案内させた。自責の念にかられた君江は秋山のホテルを訪ねて、小野の魂胆やその小野に君江一家の生活が脅かされていることを話した。二人は忽ち仄かな愛情の芽生えを覚えるのだった。秋山は再度の来島を約して佐渡を去った。君江の家は、小野にだまされた借金があって、家邸は抵当にとられ今では小野の世話で細々と暮している有様だった。小野はそうした弱身につけこんで、君江を嫁によこせと吹っかけてきた。そんなある日、秋山が母親を伴って再び訪れて来た。君江は二人を懇切に案内してまわり、ホテルの舞台では浪曲“佐渡情話”を演じて母子を感激させた。やさしく女らしい君江に母親も二人の結婚を快く同意するのだっ...
東京奥多摩で男の死体が発見された。捜査の結果、犯人はバンドで被害者を絞殺、石油カンで顔を砕き、焼き殺したこと、被害者の名は佐山ということが判った。佐山は就職の件とかで、戸籍謄本を持って外出したのだった。遺留品のバンドのバックルが沖縄に関係あるので、沖縄へ飛んだ刑事から城間という男を追えと言ってきた。城間は四日市の石油会社にいるはずだ。この事件の目撃者による城間のモンタージュ写真が出来上った。城間の運転免許台帳の写真と照合したが全然似ていなかった。ところがそのモンタージュ写真は指名手配中の殺人犯中北だった。さらに不思議なことは、四日市に行ったはずの城間に東京で交通違反出頭状が来ていることだった。所轄署に保管してあった免許証の写真は中北だった。指名手配中の中北は戸籍謄本を利用、城間になりすましたが、交通違反でそれがバレるのを恐れ、佐山に目をつけたのだった...
埋立地の建設現場。フォークリフトがすくい上げた土の中から、一本の手が珠数をかけたままだらりと宙に下がっていた。検死の結果、絞殺後一カ月、年齢は四十歳前後、身長一メートル七〇、特徴として歯ならびの悪いことが判った。犯人捜査の手がかりは珠数しかない。林、北川の両刑事が珠数の線を引き受け、長田、渡辺の両刑事が工事現場の聞き込みに当った。仏具店で調べると最低の品物で、日々教という新興宗教のものらしいという。二人は日々教本部に行き、現場付近に住む信者二十八名の住所氏名を写しとった。折も折、人相写真を見た浅草署管内の交番から電話があった。七カ月ほど前、写真とよく似た酒乱の男を保護したが、六区辺りの露天商人らしいという。金子刑事の調べによると、輪投げの店を出していた武井の為七がそれらしい。葛飾区内の為七の下宿のおかみさんは、為七の妻初子は酒乱の夫に愛想をつかし、...
第二部二十面相の悪魔--小林君らの努力で、明智は顔に火傷を負いつつも焼け落ちる西洋館から救出される。だが設計図は既に複写されているらしく、折柄、復讐を誓う怪人の通信。電波監理局の調べでは、奥多摩方面に本部があるらしい。その日、図面の残り半分を持ち大阪原子研究所から小泉所長が上京。警戒は厳重だがその隙に、子息の小泉君が誘拐されてしまう。やがて、深夜に設計図と少年の身柄を交換するとの二十面相の手紙が小泉邸へ。折悪く明智も不在。学校では小林君らが相談の上、小泉家を訪れることにしたが、彼等がやって来た時は明智に化けた怪人が両親を騙して設計図を持ち出すところ。小林君らの追跡を振り切って逃げ去るが、車体ナンバーを手掛りに捜査が進められ、舞台は××遊園地に移る。小泉君は無事発見。怪人ら海外逃亡の恐れに捜査網が全国に張られても手掛りはない。だが小林君らはふとした事...
第一部妖怪博士--警戒厳重な日本原子力第一工場に、ある夜、怪盗が侵入。新聞は国際スパイ団首領、怪人二十面相の仕業と報じる。幸い、狙われた原子炉設計図は名探偵明智小五郎の機転で相川技師長の家に隠されていた。明智は中村捜査課長に今後の警戒を注意。明智の事務所に集った小林、相川、篠崎、斎藤、大野、上村君ら少年探偵団は、相川君のお父さんのためにも逮捕を誓い、捜査に散る。とある屋敷町で異様な風態の老乞食を尾行した相川君は古びた西洋館で縛られた少女を発見するが、それは蝋人形。驚く中、紳士に変装した二十面相に掴まり地下牢に幽閉され、妖婆の魔術で魂を抜かれてしまう。明智や助手マリ子、少年達が不審がる矢先、相川君は無事帰宅するが、妖婆の指金で設計図を奪い去った。時を移さず非常警戒、対策を練る明智らの前にロンドン警察客員探偵殿村と名乗る男が現われ、三日間で事件解決を宣...
とあるアパートの一室で、殺人事件が起こった。被害者は、坂井久子という電話交換嬢。株券も通帳も手をつけずに置かれてある。聞きこみをするうち、被害者は株券を買いこんでいたこと、同じビルに勤めている須貝という男と交際中であったこと、医大の生理学教室で博士研究をしている男とも付き合いがあったことがわかった。また、無記名投資信託も相当額もっており、犯人はそれを狙ったのだ。被害者は、証券サービスステーションの小柳に、内輪話をもらしていた。結婚相談所で生理学教室員の婚約者を見つけて喜んでいたという話だ。生理学教室員に的を絞って捜査を進め、利用した結婚相談所が明らかになった。そこで被害者が紹介された男は、池原清。被害者の親友光江は、池原の写真を見せられて驚いた。光江は池原と交際があったのだ。池原は当時、被害者久子との交際を光江に乗りかえていたのだった。さらに池原は...
ここ一〇一航空団基地に集結した第一期操縦幹部候補生の中田、西田、佐藤らは、ラバウル航空隊生き残りの名パイロット小谷二佐隊長の指揮のもとに猛訓練を開始した。やがて三尉に任官して、待望の飛行訓練を迎えたある日、故郷の手紙を喜ぶ隊員の中で、一人中田は浮かぬ顔をしていた。長男を飛行機で戦死させた父の反対を押し切って志望した中田を励げますのは、幼馴染みの礼子だけであった。待望のF86Fの訓練も大詰めになり、...
商船大学を丹念にも六年かけて卒業した太郎は別府航路の観光船で西海海運に就職する途上にあった。浮き浮きした気分は、甲板上でゴルフに興ずる令嬢をひやかしたり、酔客にからまれる芸者梅香を持ち前の正義感から助けたりしているうちに船は別府港へ。西海海運副社長室に通されて太郎は驚いた。副社長というのがゴルフの令嬢みどり、その傍らには総務部長の熊谷が控えていた。勝気なみどりと太郎は船上のゴルフひやかし事件から喧...
The days of the scarcity of food after World War II, five guys ate elephant which died at zoo. But the meat of the elephant was polluted with deadly bacteria, and five guys will die 30 hours later. They plunged into despair and try to leave their last words to their family. Vaccine is their only hope and they found four stocks of it...