「秋の蛍」は、平岩弓枝が「小説サンデー毎日」に連載中の「御宿かわせみ」シリーズを平岩自身が脚色したもの。NHKのシリーズがよく知られているが、幻の1作目はこちらの作品である。江戸柳橋の宿の女主人と、その恋人の与力の前に起こる意外な事件をサスペンスタッチで描く。若尾文子が捕物作品に出演するのも初めて。
【ストーリー】
るいが営む小さな宿“かわせみ”に、その夜二つの客があった。一組は怪我を負った母を連れた娘。もう1組は、恋人である与力の東吾だった。折から、江戸には宿屋ばかりを襲う盗賊が横行していて、東吾もるいの宿をそれとなく警護することになった。一方、母娘の様子には何かに追われているような雰囲気が漂っていた。だがるいは母親の看病をし、娘のために仕事の世話までしてやった。そんなある日、るいは娘が縫い針を口で吹いて蝶を落としているのを見てハッとした。その...
旅籠の若い女主人るいに恋人の神林東吾、あてられっぱなしの同心源三郎…お馴染みの登場人物が活躍する、江戸の下町情緒あふれる人情時代劇。本作は、古手川祐子主演で1980年代後半にドラマ化された長編作品の第一弾。ドラマ化された「御宿かわせみ」の中で、唯一平岩弓枝自身が脚本を手がけている。読者の人気も高い同名原作を基に、白萩屋敷の孤独な女主人の恋をミステリアスに描いていく。
八丁堀与力神林通之進(根津甚八)の弟東吾(橋爪淳)は、江戸の大川端にある小さな旅籠「かわせみ」の女主人るい(古手川祐子)と恋仲。次男坊という気安さからか、「かわせみ」と兄の屋敷を行き来していた。ある日、東吾は兄に頼まれて根岸の白萩屋敷を訪ねることに。そこには、兄通之進の幼友だちで、今は未亡人となった美しき香月(若尾文子)という女性が住んでいた。
6月のカラー月間と題して、その月放送の全東芝日曜劇場作品をカラー放送した第1回。【以上、文:のよりん】「歌人与謝野晶子の次男のもとに嫁いだ若い女性が立派な嫁へと成長していく過程を描く「どっきり花嫁」の続編。主演は若尾文子。前作に続き、若尾演じる主人公道子が家風の違う与謝野家で経験する日々の“どっきり”がコミカルに描かれる。道子が嫁入りして一年半。満5ヶ月になる娘の育児に奮闘する道子だったが…。道子(若尾文子)は、満5ヶ月になった綏子(佐久間真由美)の育児に大忙しであった。綏子があまりに泣くので医者を呼べば、ベビー服に針が刺さっていたという始末。晶子(宝生あやこ)は、道子や綏子に会うのが何よりも楽しみで、よく訪ねて来ていた。だが道子は、晶子の突然の来訪で、しばしば失敗していた。晶子から突然贈られた友禅の赤ちゃん着を綏子に着せず、洗濯に便利な白ネルの...
姉さん女房でしかも再婚の女が姑のてんぷら屋に同居することに。夫だけが味方の奮闘が始まる。提供雪印乳業、HONDA、サンウェーブ、コンタック600。
歌人与謝野晶子の次男のもとに嫁いだ若い女性が立派な嫁へと成長していく過程を描く「どっきり花嫁」シリーズ第3作。最終回となる本作では、若尾演じる道子が姑晶子の死に向き合い、二人が初めて人間らしい愛で結ばれるまでを描いていく。晶子(宝生あやこ)の末娘藤子(青柳美枝子)が嫁ぐ日も近くなり、道子(若尾文子)たちの一家が晶子の家へ移ることになった。道子は、この日を心から楽しみにしていて、また戦場へ行くような気分でもあった。晶子の話し相手、晶子の気に入る料理、脳溢血で病床にある晶子の看病…。考えるだけでも道子は心細くなるのであった。
第5回ギャラクシー賞第4回期間選奨受賞(出演若尾文子)対象作品。「若尾文子のテレビ初出演の連続ドラマ。戦後の一時期をはげしく生きた作家坂口安吾との生活をつづった未亡人三代子さんの記録を、八住利雄が脚色した。料亭の娘八千代(若尾)が、作家坂田勘吾(藤岡琢也)と出会い、お互いにひかれて結婚する。のんきでお人よしの八千代と、酒とヒロポン中毒で荒れてゆく破滅型作家との、すさまじく、しかも明るい愛情生活が続けられる--という物語で、若尾は「映画とはちがった面を出したい」と意欲を燃やしている。第一回は、八千代が勘吾と知りあい、勘吾にひかれ、傾斜してゆく過程を描く。【この項、朝日新聞1968/01/31付より引用】」若尾文子のテレビ初出演作とされているが実際には本作以前にデビュー(1952年)から間もない1955年の『狐と笛吹き』(日本テレビ)など五社協...