結婚した男を不幸にするという伝説をもつ大女優。彼女にまつわる殺人事件に、おなじみの名探偵が挑戦。1964年の初夏。金田一耕助(小野寺昭)は、山中湖へやってきた。旧知の実業家飛鳥(鈴木瑞穂)が湖畔にある別荘で開く婚約披露パーティーに招かれたのだ。飛鳥の相手で、大物女優の鳳千代子(松尾嘉代)は、結婚する男を恐ろしい目にあわせると言われている女だった。千代子は4回の離婚歴をもっており、パーティーのメンバーも奇妙だった。まず、最初の夫で、往年の二枚目スター泰久(佐原健二)との間にできた娘の美沙(松原千明)。その祖母篤子(荒木道子)。さらに2番目の夫で、画家の恭吾(上田耕一)、そして、3番目の夫で音楽家の津村(清川新吾)などだ。そこへ、なぜかひとり招待されなかった泰久が、酒気をおびて乱入してきた。翌朝、その泰久の死体が、ホテルのプールに浮かぶ。さらに次の...
電気関係に詳しい男とその娘が、泥棒四人組に、東京中を停電させ五億円を奪おうと持ちかけた。車輌:磐高プロサービス。ロケーション協力:MAZDA(東洋自動車工業)、千代田工科芸術専門学校、ストーンヘンジ。
大飢饉が相次いだ江戸天保年間。厳しい年貢の取り立てや、新興ヤクザの勢力拡大で疲弊する農民たちを見て、農民の結束を呼びかけて立ち上がった、農協の始祖大原幽学をクローズアップした作品。農協のキャンペーン映画でもある。
京都大沢池で女性の他殺死体が見つかり、京都府警の女性検視官冬子は部下の橋口警部補と共に現場に急行した。死んだのは、橋口警部補の後輩渡辺刑事の婚約者で祇園のクラブのホステス幸子。身元を知った京都府警一同は、言葉を失う。検視をした冬子は、幸子の唇に塗られた京口紅が気になる。幸子が働いていたクラブのママ千佳子によれば、幸子は京洛総合病院の外科部長戸田の愛人だったらしい。京洛総合病院では、理事長佐倉の後継を巡って戸田と内科部長北野が争っていただけに、幸子の同僚朱美は渡辺が犯人だと冬子に話す。それから数日後、京洛総合病院の事務長今西に続き、朱美も京口紅を塗られた死体で発見され。
昭和44年6月24日、午前2時36分ごろ、国鉄山陰線に若い女が飛び込み、即死した。その娘は高野悦子、二十歳。立命館大学文学部史学科三年。遺書はなく、大学ノートに十数冊の横書きの日記が遺された--。一月二日、悦子は郷里の宇都宮で二十歳の誕生日を迎えた。何となくイライラする毎日。三日を過ぎると京都の下宿に戻った。その頃、学園紛争は連鎖反応的に日本全国に拡がり、悦子の立命館大学も例外ではなかった。バリケード、機動隊、赤ハタ……。機動隊の棍棒で殴られ血を流しながら連行されていく渡辺委員長の美しい顔を目前に見て、悦子は何かしなければ、でも何をすれば……と思う。ある日、迷いの中から悦子は目覚めた。学生闘争から挫折していく牧野ら友人たち、目の前で逮捕された時の渡辺の目。荒れ果てた教室の中で、悦子が見たものは、自分自身の姿であり、戦う相手は自分自身であるということ。...
昭和二三年、GHQ民政局次長チャールズケージスは新内閣を野党第一党民主自由党を中心とした連立内閣とすることを要望し、総理大臣には民自党幹事長山崎猛が望ましいと伝えた。しかし、党長老松野鶴平の強引な奇策、吉田の側近林譲治の必死の巻きかえし、さらに党総務会における一年生議員田中角栄の大胆な発言などによって形勢は逆転し、一〇月一五日第二次吉田内閣が成立した。吉田は、みずからの勢力を拡大するため議会の解散をはかり、翌二四年選挙において民自党は圧勝、この時以来吉田学校と呼ばれるようになる吉田派は大量の新議員を誕生させる。二月一六日、第三次吉田内閣が発足した。吉田はまず平和条約草案の作成のために外務次官太田一郎を中心とするプロジェクトチームを極秘で結成、太田らは血のにじむ苦難の末、吉田の要求に答える草案を作り上げた。続いて再びマッカーサーと会見、池田...