庄司繁がゲイボーイを気取っているのは、やくざの組長駒崎鉄五郎が経営するバー“やそめ”のマスターに見習ってのことであった。普段女には人並以上の食指を動かす庄司繁に、料亭“いちはら”の女将市原満枝は強く魅かれていた。また駒崎の金でバー“チズ”を経営する湯浅智津子もいずれは繁と一緒になろうと目論んでいた。繁は家出娘を専門にポン引きもやり、家出娘潮田むると同棲生活をしていた。だが一石二鳥を狙う繁は、満枝の店も駒崎の遺産も手に入らず、遂に作戦を変え、智津子を利用して狂言結婚を満枝と駒崎の前で宣言した。効果は現われた満枝は繁にスポーツカーを買い与え、駒崎は智津子を籍に入れると約束した。だが形勢は逆転した。駒崎が急死したのだ。雇われマダムに落ちぶれた智津子は満枝に“やそめ”を買い取って貰って、はぶりのいい繁のところにころがりこんだ。女三人を繰らねばならなくなった繁...
この映画の出発は、映画を作ってみたいという人3人の、初監督作品だけでオムニバス映画をやってみようということだった。俳優として『ぼくらの季節』や『グッバイボーイ』などで初期の頃からゲイ映画に深く関わり、近年は監督として『ミステイク』や『こんな、ふたり』などの秀作を作り続けている、池島ゆたかがプロデューサーを担当、早速人選から開始した。
とにかく今までにないような斬新な企画で、夢のようなゲイ映画を作りたいという池島は、次々とアイデアを出してきて、その中から具体化してきたのが、異分野でそれぞれ活躍する女性3人に監督してもらったらどうだろうかというものだった。ただ、面白半分でゲイの世界をいい加減に描かれても困るということで、結構この世界にも詳しくってというところから、女優として何本もゲイ映画に出演して関わってきた伊藤清美、サブカル界ではカリスマ的な人気を誇り...
とにかく人生に憑いてない男が、死に場所を求めて夜の東京を徘徊するうちに、次から次から出会う奇妙な男たちに連れて行かれる奇妙な場所。そこで繰り広げられる、男を愛することを謳歌する男たち。自分がこれまで付いていなかったのは、男を愛するこんな世界を知らなかったからではないかと、付いてない男が思い出したとき…。
会社からダメ社員のレッテルを貼られクビにされ、恋人と思っていた彼女からはSEXが下手と振られてしまった彼。一気に大事な物を二つ失ってしまった彼は、絶望から自殺しようとする。
しかしある男に「死ぬよりも死んだつもりで新しい世界をいきてみないか」といわれ、ある場所に連れて行かれた。そこはまさに、自由に、本能のままに、男同士の欲望が渦巻く秘密パーティーの会場だった。彼はそこで初めて男の味を知って…。
ある一夜を限定して、大都会東京の各地で行われている男たち...